減価償却費
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減価償却費について
建物、建物付属設備、機械装置、車両運搬具、工具 器具 備品などの資産は、時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。

減価償却資産は、購入したときに全額必要経費にできるわけではなく、その資産ごとにあらかじめ決められた使用可能期間の全期間にわたり分割して決められたルール(定額法、定率法)に基づいた金額を毎年必要経費にする必要があります

つまり、資産価値が減少した分の金額だけを消耗し使用したと考え費用として必要経費にするということです。このことを減価償却といいます。(注意:必要経費というのは、その年に利用した使用した分の金額である)

分割された1年ごとの必要経費を減価償却費といいます。減価償却費は、期末の決算日(12月31日)にだけ計上します。ただし、以下のような特例もあります。

■10万円未満のものと使用可能期間が1年未満のものは全額必要経費
建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、上記の条件を満たすとき勘定科目『消耗品費』で全額必要経費にできます。つまり、固定資産として記帳する必要はないです。

逆に言えば、10万円以上のものと使用可能期間が1年以上のものは減価償却資産となり、決められたルールに基づき減価償却する必要があります。

上記以外でも特例があります。詳しくは以下のページをご覧ください。

【参考サイト】
減価償却のあらまし

■減価償却できない固定資産
土地や骨とう品などのように、時間の経過によって価値が減少しないものは減価償却することができません。すなわち、土地などの固定資産の購入代金は必要経費にできないということです。
減価償却の方法
定額法と定率法の2種類がありどちらか一方を選択できます。

定額法 毎年同じ一定の金額を経費として計上する

毎年同じ償却額になる
定率法 毎年一定の割合の金額を経費として計上する

償却費の額は初めの年ほど多く、年とともに減少する

この償却方法の制度が改正されて以下のようになりました。

定額法・定率法(現行) 平成19年4月1日以降に取得した減価償却資産に適用
旧定額法・旧定率法 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に適用

【参考サイト】
定額法と定率法による減価償却  旧定額法と旧定率法による減価償却

■償却方法の届出
定額法と定率法のどちらを選択するかは、届出を出すか出さないかで決定します。

(旧)定額法 届出を出していないと自動的に定額法になる
(旧)定率法 届出を出すと定率法になる

提出書類: 所得税のたな卸資産の評価方法・減価償却資産の償却方法の届出書
提出時期:確定申告期限までに提出
提出先:納税地を所轄する税務署長

【参考サイト】
所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続
定額法
減価償却費 = 取得価額×定額法の償却率×(本年中に事業に使用した月数/12)

定額法の償却率 = 1 / 耐用年数
(基本的にこの式だが、割り切れない数字の場合、小数点以下3桁にして最後の桁の数字が旧定額法の償却率とは少し違うので注意する必要があります)

ただし、最後の償却時には資産価値が1円の備忘価額を残す

例:取得価額20万円、耐用年数4年、平成19年4月1日以降の1月購入

経過年数 減価償却費 期末時の資産価値(未償却残高)
50000 150000
50000 100000
50000 50000
49999
旧定額法
(1)償却可能限度額まで=取得価額の5%まで

減価償却費 = 取得価額の90%×旧定額法の償却率 ×(本年中に事業に使用した月数/12)

旧定額法の償却率 = 1 / 耐用年数
(基本的にこの式だが割り切れない数字の場合、小数点以下3桁にして最後の桁の数字が定額法の償却率とは少し違うので注意する必要がある)

(2)償却可能限度額まで達した後=取得価額の5%に達した後

減価償却費 = 取得価額の5%/5
( 正確には、減価償却費=(取得価額の5%−1)/5 )

ただし、最後の償却時には資産価値が1円の備忘価額を残します。

例:取得価額20万円、耐用年数4年、平成19年3月31日以前の1月に購入

経過年数 減価償却費 期末時の資産価値(未償却残高)
45000 155000
45000 110000
45000 65000
45000 20000
10000
取得価額の5%になるようにする
10000
2000 8000
2000 6000
2000 4000
2000 2000
10 1999
定率法
償却保証額=取得価額×保証率

(1)調整前減価償却費が償却保証額以上の場合

(調整前)減価償却費 = 期首未償却残高×定率法の償却率×(本年中に事業に使用した月数/12)

未償却残高=取得価額−前期末までの減価償却費累計額 =資産の帳簿価額

(2)調整前減価償却費が償却保証額未満の場合

(調整後)減価償却費 = 改定取得価額×改定償却率×(本年中に事業に使用した月数/12)

改定取得価額=減価償却費が償却保証額未満になったときの未償却残高

ただし、最後の償却時には資産価値が1円の備忘価額を残す

例:取得価額20万円、耐用年数4年、償却率0.625、
改定償却率1、保証率0.05274、平成19年4月1日以降の1月に購入

償却保証額=20万×0.05274=10548

経過年数 (調整前)
減価償却費
(調整後)
減価償却費
期末時の資産価値
(未償却残高)
125000   75000
46875   28125
17578   10547
(6591)  10546
旧定率法
(1)償却可能限度額まで=取得価額の5%まで

減価償却費 = 期首未償却残高×旧定率法の償却率 ×(本年中に事業に使用した月数/12)

(2)償却可能限度額に達した後=取得価額の5%に達した後

減価償却費=取得価額の5%/5
( 正確には、減価償却費=(取得価額の5%−1)/5 )

ただし、最後の償却時には資産価値が1円の備忘価額を残す

例:取得価額20万円、耐用年数4年、償却率0.438、
平成19年3月31日以前の1月に購入

経過年数 減価償却費 期末時の資産価値
(未償却残高)
87600 112400
49231 63169
27668 35501
15549 19952
8738 11214
1214
取得価額の5%になるようにする
10000
2000 8000
2000 6000
2000 4000
10 2000 2000
11 1999
個別の減価償却資産や繰延資産の償却方法・償却期間・償却残高・減価償却費を記帳している帳簿です。

減価償却資産
の名称等
面積又は数量 取得年月 取得価額
(イ)
償却の基礎
となる金額
(ロ)
償却方法
資産名 ○台など ○年○月 ○円 ○円 定額法か
定率法

耐用年数 償却率
(ハ)
本年中の
償却期間
(ニ)
本年分の
普通償却費
(ホ)=(ロ)×(ハ)×(ニ)
割増(特別)
償却費
(ヘ)
○年 数字 ○/12 ○円 ○円

本年分の
償却費合計
(ト)={(ホ)+(ヘ)}
事業専用割合
(チ)
本年分の
必要経費算入額
{(ト)×(チ)}
未償却残高 摘要
○円 ○% ○円 ○円  
帳簿のつけ方
■減価償却資産の名称等
例えば、「パソコン」などの資産名称

■面積又は数量
数えられるものは1台などで記帳します。建物などはその面積をm×mで記帳します。

■取得年月
(平成)○年○月で記述
A月1日でもA月30日でも同じA月

■取得価額
資産を取得した金額。

■償却の基礎となる金額

平成19年4月1日以降に取得した資産
定額法 定率法
取得価額 (1)調整前減価償却費が償却保証額以上
未償却残高=取得価額−減価償却費の累計額

(2)調整前減価償却費が償却保証額未満
改定取得価額
=減価償却費が償却保証額未満になったときの未償却残高

平成19年3月31日以前に取得した資産
旧定額法 旧定率法
取得価額の90% 未償却残高=取得価額−減価償却費の累計額

■償却方法

平成19年4月1日以降に取得した資産 平成19年3月31日以前に取得した資産
定額法 定率法 旧定額法 旧定率法
税務署に届け出ている償却方法
届け出ていないなら定額法 届け出ていないなら旧定額法

■耐用年数
個別の資産ごとにあらかじめ決められていますので以下の表を参照してください。

耐用年数 内容
建物 店舗、工場、事務所、倉庫などの事業用の建物
建物付属設備 建物に付属する冷暖房、照明器具、エレベーター、
給排水、自動ドアなどの各種設備
機械・装置 製造業などの工場や建設業などで用いる機械や装置
車両・運搬具 乗用車や貨物車、自動二輪車、自転車、リアカーなど
工具 各種工具
器具・備品 キャビネット、事務用机、家具、観葉植物、
電化製品(パソコン、テレビ、オーディオ、ファクシミリ等)など

■償却率
耐用年数ごとにあらかじめ決められていますので、(旧)定額法・(旧)定率法の償却率・保証率・改定償却率を参照してください。

■本年中の償却期間
1月1日から12月31日の間で、取得した月を1ヶ月として計算した経過期間です。

例:1月30日に購入→12
5月30日に購入→8

■本年分の普通償却費
「(ロ)×(ハ)×(ニ)」の計算結果

■割増(特別)償却費
中小企業者に認められた特別償却の適用を受けるときに割増しの償却費を記入します。普通の個人事業主は関係ないので未記入です。

■本年分の償却費合計
「(ホ)+(ヘ)」の計算結果

■事業専用割合
0〜100(%)で記述します。

事業専用なら100%
プライベートでも使用している場合は、

使用面積比率=事業使用面積/全使用面積
使用時間比率=事業使用時間/全使用時間

により割合を計算して記入します。

■本年分の必要経費算入額
「(ト)×(チ)」の計算結果を記入します。

■未償却残高
未償却残高=取得価額−減価償却費の累計額

■摘要
(1)割増償却や特別償却の適用を受ける場合は、その特例名
(2)取得資産が中古である場合は、その旨を書く
(3)資産を本年中に譲渡や取壊しなどをした場合は
その月日、事由など
固定資産台帳の例
中古パソコン20万円を平成19年5月10日に購入

  減価償却資産
の名称等
面積又
は数量
取得年月 取得価額
(イ)
償却の基礎
となる金額
(ロ)
償却方法
19年 パソコン 1台 19年5月 200000円 200000円 定額法
20年 パソコン 1台 19年5月 200000円 200000円 定額法

  耐用年数 償却率
(ハ)
本年中の
償却期間
(ニ)
本年分の
普通償却費
(ホ)=(ロ)×(ハ)×(ニ)
割増(特別)
償却費
(ヘ)
19年 4年 0.25 8/12 33333円  
20年 4年 0.25 12/12 50000円  

  本年分の
償却費合計
(ト)={(ホ)+(ヘ)}
事業専用割合
(チ)
本年分の
必要経費算入額
{(ト)×(チ)}
未償却残高 摘要
19年 33333円 100% 33333円 166667円  
20年 50000円 100% 50000円 116667円  
仕訳
減価償却費は費用なので、

増えたら借方
減ったら貸方


に仕訳します。
減価償却費の例
■工具 器具 備品の減価償却費は5万円

減価償却費が増える → 費用が増える → 借方
工具 器具 備品の資産価値が減る → 資産が減る → 貸方

借方 貸方
減価償却費 50000円 工具 器具 備品 50000円


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