株価の判断指標:PERとPBR
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株価の判断指標
指標

5段階の判断

◎:非常に安い
○:安い
△:普通
×:高い
××:非常に高い

× ××

PER=株価/1株あたりの利益

(1株あたりの利益=純利益/総発行株数)

将来価値(収益)に対して割安かどうかの判断指標
純利益が適切にあるとき(利益率が普通から高いとき)のみ有効

5未満 5〜10 10〜20 20〜30 30以上

PBR=株価/1株あたりの株主資本

(1株あたりの株主資本=株主資本/総発行株数)

現在価値(資産)に対して割安かどうかの判断指標
純利益が0に近い(利益率が低いとき)か0以下のときはこの指標による判断が重要となる

0.5未満 0.5〜1 1〜2 2〜3 3以上

■基本計算式

PER=株価/1株あたりの利益

1株あたりの利益=純利益/総発行株数

■意味

企業に投資した資金をその企業の純利益によって、何年で回収できるかを意味するのがPERです。

PER=1なら1年
PER=10なら10年
PER=50なら50年

かかると投資資金を回収できることになります。

ただし前提として、その会社がPER年間存続し安定して純利益を稼ぎ続けることが条件となります。PERは将来的に手に入るであろう総利益を基準にした株価の判断方法であり、その会社の将来価値を基準にして割安かどうかを判断しているといえます。

なので、PERにもとづいて投資するということは、その会社の将来的な収益に期待して投資しているということです。

■判断方法

(1)一般論(経験則)

一般的に、現在の株式市場では当期か来期の純利益を基準にして、つまり直近の1〜2年以内に将来的に手に入るだろう純利益を基準にしてPERが10以下なら安いと判断されます。

PER = 現在の株価 / 当期か来期の1株あたりの純利益

つまり、1〜2年先の業績を基準にして、基本的に10年間保有し続けることを前提として安いかどうかを判断しているということです。この式からわかるのは、高成長企業の場合、当期や来期の将来的な純利益は現在よりも非常に高くなると予想されるので、前期の純利益を元にしたPERでは高くなりやすいということです。

これらのことは確かな根拠があるわけではなくたんなる経験則であり、人によって銘柄によって割安基準が変わります。実際に、分母に使用する純利益を、以下のように様々な値を用いて判断することがあります。

@前期の純利益
A過去5〜10年間の平均純利益
B1〜2年後の純利益
C前期の営業CF
D前期の営業CF+投資CF

などなど、人によって分母に用いる純利益の値は変わってきます。この考え方の違いは、今後10年間保有することを考えた場合、何を確かな純利益と考えるかの違いがあらわれているのです。

しかしながら、前期の純利益にもとづくとPERが50以上あるが、5〜10年後の予想純利益にもとづけば現在の株価はPERが10以下だから安いといって買われる状態は、明らかにバブル(実体価値より異常に高い株価)であると認識しなければなりません。

どんなに高くても、1〜2年先の予想純利益に対してPERが20倍以下であることが適切な株価であると思います。

(2)グレアム理論

PER=株価/1株あたりの純利益
1年あたりの期待収益率(%)=(1/PER)×100
10年後の期待資産倍率(倍)=(1+(1/PER))^10

と考えるのが、バリュー(割安株)投資家として非常に有名なグレアム氏の考え方です。とりわけグレアム氏が、PERの分母に用いる純利益は、前期のものだったり、過去5〜10年の平均純利益を用いるという非常に堅実なものです。この計算式に基づいて計算した結果が以下のものです。


PER 1年あたりの期待収益率(%) 10年後の期待資産倍率(倍)
20% 6.19倍
10 10% 2.59倍
20 5% 1.63倍
30 3.33% 1.39倍

この結果からわかるように1年あたりの期待収益率が高ければ高いほど10年後の資産は大きくなり、できるかぎり1年あたりの期待収益率を高くするにはPERができるだけ低い株に投資するのが良いという結論になります。

上の計算結果からすると、10年で資産を2倍以上にするにはPERが10倍以下の株に投資すると良いということです。また、PERが20倍以上だと10年後の資産の上昇率がどんどん悪くなっていくので、PERが20倍以上なら投資するべきではないといえます。

この計算通りになるかどうかはわかりませんが、少なくとも投資するときの1つの判断基準にはなりうるので、投資するときは常にPERを気にして、10年間保有することを考えて資産がどれだけ増大するかを計算しておくとよいです。

■PERで株価を判断できるための基準

(1)純利益が0に近いとき(利益率が低いとき)

株価がそれほど高くなくてもPERが異常に高い値になり、適格に判断することが不可能となります。

純利益→0のとき PER=株価/純利益 = ∞

したがって、この場合はPERで株価を判断することはできません。

(2)純利益が0以下のとき

純利益が0のときはPERが計算できないし、純利益が0未満のときはPERがマイナスとなり、どちらも意味をもたない数字となるので、この場合はPERで株価を判断することはできません。


以上の結果から、PERは純利益が適切にあるとき(利益率が普通から高いとき)のみ株価を判断するのに有効な指標です。

■基本計算式

PBR=株価/1株あたりの株主資本

1株あたりの株主資本=株主資本/総発行株数

■意味

会社の資産価値 = 総資産 − 負債 = 株主資本

この株主資本というのは、会社の資産から負債を全て返却しても残る資産なので、株主の持ち分となる会社の資産金額です。言いかえれば、仮に会社を今すぐ清算、解散することになったときに株主に返還されるであろう基本的な金額ということです。

なので、将来的に手に入る利益を一切考慮しないでその会社の現在の資産価値に対して割安かどうかを見ているのがPBRです。なので、PBRにもとづいて投資するということは、基本的にその会社の収益にはほとんど期待していないといえます。

■判断方法

(1)一般論

PBRが1倍以下なら、今現在の会社の資産価値より低いので明らかに割安な株価と判断できます。しかしながら、当期や来期の純利益がマイナスとなる企業の場合は、将来的に株主資本が減少することになるので、今現在の株主資本にもとづいてPBRが1倍となる株価が割安とはかぎりません。

なので、純利益がマイナスとなる企業の場合は、以下の式にもとづいて1倍以下なら割安と考えられます。

将来的な株主資本 = 今現在の株主資本 + 純利益
1株あたりの将来的な株主資本 = 将来的な株主資本 / 総発行株数
PBR = 株価 / 1株あたりの将来的な株主資本

一方、PBRが2倍、3倍である会社というのは、何故今現在の資産価値より倍以上の高い値段で買われているかというと、将来的に資産価値(株主資本)が2倍、3倍になると思われて買われていると考えられます。

つまり成長企業などでは、PBRが高い傾向になるということです。ただし本当に資産価値(株主資本)が倍になるとは限らず、しかも少しでも成長にかげりが見えると急激にPBRが1倍程度まで下落することになるので、非常に気をつける必要があります。

少なくとも初心者にはPBRが2倍以上ある会社への投資は、基本的におススメできません。

(2)グレアム理論

資産価値(解散価値、清算価値) = 流動資産 − 負債
1株あたりの資産価値 = 資産価値 / 総発行株数
PBR = 株価 / 1株あたりの資産価値

このPBRが1倍以下なら割安と考えるのが、グレアム氏の考えるPBRです。
(正確にはこのPBRが2/3以下のとき割安とグレアム氏は考えた)

これはどういうことかというと、会社の資産のうち、実際に売却するとなるとその資産価値がほとんどない資産があります。例えば、機械装置などの有形固定資産などです。それらを考慮したその会社の真の資産価値(解散価値、清算価値という)を細かく計算した結果とだいたい一致する近似式が流動資産から負債を引いた額ということです。

この清算価値が、会社を清算、解散したときに本当に株主に返還されるであろう金額です。なので、万が一倒産することなどがあっても清算価値以下の株価で投資していたら、理論上では投資資金以上の金額が返還されることになります。

したがって、この清算価値以下の株価は確かに割安と言えて、安全でリスクが少ない投資といえます。グレアム氏は、さらにこの清算価値の2/3以下の株価で投資することをおススメしています。

なお、清算価値がマイナスとなるときは、もし万が一倒産したりして、会社を清算、解散しても株主には全くお金は返還されない可能性が高いということです。

■PBRで株価を判断することが重要となる基準

PERで株価を判断できない、しづらいときに、PBRで株価を判断することが重要となります。つまり、純利益が0に近いとき(利益率が低いとき)や0以下のときにはPBRで株価を判断することが重要となります。



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